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生きた公園と死んだ公園の比較分析
A comparative analysis of living and dead parks
佃純輝|B4
概要
公園を設置する目的として、国土交通省関東地方整備局(2020)は、「人々のレクリエーションの空間、良好な都市景観の形成、都市環境の改善、都市の防災性の向上、生物多様性の確保、豊かな地域づくりに資する交流の空間の提供である」と述べている。
北海道函館市富岡町1丁目64に設置されている「富岡中央公園」は親子で賑わう他、ちょっとした休憩で立ち寄る、学童が運動場として利用するなど公共スペースらしく多種の目的で使われていた。ポイ捨てされたゴミは見られるものの、翌日にはなくなっており、これは市だけでなく近隣住民によるゴミの回収がされていることを示唆している。これらのことから国土交通省が掲げる目的を的確に実現しており、公園として生きている。
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一方で、北海道函館市富岡町3丁目15に設置されている富岡町第1街区公園は、休日でも利用者はなかなか見られず閑散としていた。公園内のゴミは富岡中央公園と比べ非常に細かいものが多く目立たないものの、公園に隣接する溝にはレジ袋や空き缶などが投棄され荒れ果てていた。一度、溝は函館市の手が入り、大きなゴミは全て回収された。しかし、日が経つに連れて再びレジ袋や空き缶が投棄され蓄積していた。
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Reiter & Samuel(1980)はゴミのある場所にはポイ捨てが増える傾向があることを示している。富岡町第1街区公園はゴミが回収された後にも関わらず、ゴミが投棄されていることから、公園の利用者および公園に隣接する歩道の通行人に「ゴミのポイ捨てスポット」として認知されていることが示唆される。以上のことから、この富岡町第1街区公園の状況は、国土交通省が掲げる公園の目的を全く果たせておらず、かえって環境に悪影響を及ぼしている。つまり、富岡町第一公園は公園として死んでいる。
富岡中央公園と富岡町第1街区公園はその名称通り同じ街区に位置する街区公園である。しかし、住民との関わり方は対照的である。本研究では富岡中央公園と富岡町第1街区公園の差が何の影響を受け生じたのか長期間にわたって両者公園の観察を行い、収集したデータを比較することで分析する。
参考文献
国土交通省関東地方整備局(2020)国営公園とは?都市公園とは?.
https://www.ktr.mlit.go.jp/city_park/machi/city_park_machi00000005.html(2021/07/10アクセス)
Reiter, S. M., & Samuel, W. (1980). Littering as a function of prior litter and the presence or absence of prohibitive signs. Journal of Applied Social Psychology, 10, 45–55