言葉を体験する展示デザイン

Design to experience literature

小玉 莉子|B4

日本には現在、美術館や博物館と並び 文学館という施設が存在する。文学館と は、文学および作家の作品と、その成立にまつわる資料を収集や展示した施設であり、日本の近代文学研究に役立っている。 しかし、文学というものに対する注目度自体が低いため、文学館全体を活性化させる議論を深めようとしても、表面的な話し合いしかなされていない現状である。よって、 文学館を活性化させるためにも書物や短歌・俳句に対する認識を改善する必要があると考えた。

特に短歌を中心とした展示を行おうと考えている。短歌は、和歌の一形式で五・七・五・ 七・七の五句体の歌体のことである。俵万智の「サラダ記念日」や、2018 年 に公開された映画「ちはやふる」の影響もあり若者から年配にかけて広く馴染みがあるため、展示自体に興味をもってくれる人が多いと考えた。

展示の方法は、「ハンズ・オン展示」や「マインズ・オン展示」という考え方を用いて行おうと考えている。これらの展示方法は、鑑賞者と展示物の間のガラスを取り除き、鑑賞者が物に触れることにより鑑賞者が展示物に対しての考えを展開することを促す方法である。

本研究では、普段手に取ることの出来ない「言葉」を触れられるように展示する事で文学的文章に対する思考の展開を促す展示方法を検討・提案する。